日記 9月10日 懲役

 敬虔な日記読者の方ならお分かりかと思うんですけれど、おれのバイトは朝の3時に終わるんですね。そこから家に帰って寝るわけなので、どうしても就寝は4時とか5時になってしまうのです。つまり起きるのはどう足掻いても11時とか12時になってしまうわけです。ということで、今日は12時に起きて、ひとまず昼食を摂りました。なかなか身体が動かなかったけれど、そろそろ本当に研究をしなければ不味いというのはわかっているので頑張って研究室に行くことに。しかしこの日が本当に暑くて、どれくらい暑いかというとTIFのスカイステージくらい暑かったです。ほとんどの人にわからないであろう例えでごめんなさい。でも本当に暑かったのです。

 14時くらいに研究室に到着したけれど、あまりにも暑すぎて30分くらいデスクで伸びていました。人間が出歩く暑さではない。今日は研究を少し進めることができました。終わらないんじゃないかという不安と、自分の研究のことあまり理解していないんだろうなという恥ずかしさで潰れてしまいそう。ぎりぎりの時間まで研究室に滞在してそこからバイトへ。

 バイトはいつも通りなんですけれど、バイトに行って、寝て、起きて、研究室に行って、バイトに行って……という娯楽が一つもない今日みたいな生活をするといずれ狂ってしまいそうだと感じました。白状をしてしまうと、やはりおれは研究室の他の面々のように研究対象やはたまた研究自体が好き、というわけではないのだなと思います。おれはおそらく受験勉強やクイズのような、答えのある問題を解くことは好きであっても、研究に必要な未知なものを解き明かしたいという欲求はないのです。俗に言われているような、まさに東大までの人間なのです。これはたぶん学部学科や研究室選びを間違ったわけではなく、ただただ大学に入学したのが間違いだったのではないかと思うけれど、東大生である恩恵は多分に受けてきたので、それを手放していたらおれがおれでいられたかは自信がないです。こんなことごちゃごちゃ言っても退学する勇気はないし、そもそも退学するつもりもないけれど、嘆くだけ嘆かせて欲しいのです。今のおれには懲役をなんとか消化しようという気持ちしかないのです。高3のときは場合によってはアカデミックに進むのもありだなあなんて考えていたのがばかみたいです。

 なんてことを考えていたら本当に参ってしまったので明日は研究を少しお休みすることにしました。こうやってすぐサボっちゃうところもまた自己嫌悪につながったりするんですけれど……。おれになにより必要なのは自己肯定感なんだろうな。