女子高生

ラノベにどっぷりハマって二次元の女の子にしか興味がなくなるも、そんな自分に危機感を感じテレビによく出ている女優やアイドルを可愛いと思い込むことに躍起になった時期があった。

当時は二次元の女の子しか好きになれないのではなくたまたま好みの顔に出会えていないだけだ、と本気で思っていた。が、石原さとみ堀北真希で自らの審美眼を矯正するまでこの症状は治ることがなかったのだから重症であったのだろう。

そんな惨憺たる中学時代を迎える少し前、ド田舎の中高一貫校に通い始めてそれほど経っていない時分の話である。

 

一学年の人数は少なく男に傾いた男女比で六年間を過ごすという事実を受け入れなければならないということに各々が気づき始めた頃、事務室や職員室がある校舎へ向かう渡り廊下を一人で歩いていたとき、ある女子高生とすれ違った。

その女子高生は十三年弱生きてきた中で、見たことがないほど美しく、芸能界でも通用するのではないか、と感じたことを覚えている。

同時に、同学年の女の子にはパッとした子がいなかったけれど(全く他人のことを言えた口ではないが)、数年我慢すればド田舎の高校であってもこんなにも可愛い子に出会えるのか、と期待を膨らませた。

 

実際は、高校生になっても浮いた話の一つもなかったどころかあのとき見たような可愛い女子高生は上の学年にも下の学年にも見当たらなかった。

今ではあの女子高生の顔がほとんど思い出せない。